1998-7/21(火)~7/26(日)-山梨(山中湖)ロケ3 壮大な大自然!(「赤富士」と「うねりよせる濃霧」)

7月23日(木):
富士山の麓、山中湖畔でテント(と車泊)で目覚めるすがすがしい朝。
早朝から撮影を開始しようと張り切って起きたら富士山が真っ赤に染まっていて、震えるくらいに綺麗・・・「赤富士」というやつでしょうか。
(写真は白黒だしその瞬間のものではないから何も画像でお伝えできずに残念ですが、特定の時期の早朝に雲・霧と朝日との関係で富士山が真っ赤になる現象が起こるらしいです。それはそれは荘厳で綺麗でした。)
天気は快晴!
昨日と同じく非常に僕にとっては楽で素敵な環境での撮影なので、起きてすぐから張り切ってガンガン撮影を進めました。
すると見晴らしの良い小山の連峰のはるか遠くが、物凄く濃い霧の塊に覆われているのが見えてきました。
長野ロケの時(1998年7月4日投稿分)には霧に出てほしくてたまらないのに快晴ばかりで撮影が進まなかったのに、関係ない時ばかり霧が出やがるなぁ…などとくやしく思いながらも、今は関係ないので気にせずにラストシーンの撮影を進めていたのですが・・・。
はるか遠くの濃霧はどんどんと濃い塊となってこちらに迫ってきました。
山々が連峰になってて山と谷の連続になっているのですが、その時の霧は空気より重いようで上に浮かずに地面に溜まっていき、谷が霧でいっぱいになると溢れるように山を越えて次の手前の谷へと溜まり始める…それを繰り返しつつ徐々にこちらに向かってきていました。
まるで「山の囲いでできたコップに霧を溜めて、溢れ出た霧で次の山のコップをまたいっぱいにする…それを繰り返していく」感じです。
次から次へと谷が霧で埋まっていく様は、シャンパンタワーの水を霧に置き換えて壮大に巨大化したみたいな感じというと伝わり易いでしょうか?




霧が山を越えて斜面を滑り落ちる時は巨大な波のような迫力で怖い。
基本的に僕らがいる場所も山々もピーカンの晴れだったので、山の新緑の鮮やかな緑と真っ白な霧のコントラストが非常に綺麗です。
あまりにも規模が大きいので荘厳で、赤富士に続いての大感動の光景でした。
そしてついに最後の砦、一番手前の山の向こう側に濃霧がいっぱいに埋まり、手前の頂きを超えて巨大な霧の塊が僕らに向かって猛スピードで滑り落ちてきます。

当時は公開前ですが、こういう瞬間は自然と「タイタニック」のポーズになりますね。
物凄い迫力で迫ってくるので、濃霧に飲み込まれる瞬間には霧に向かって「うぉーーー!」と声が出て、両手を広げて立ちすくんでいました。
一瞬です。
たった今まで日焼けするほどの日差しの晴天だったのに、アッという間に数メートル先も見えない薄暗い灰色の世界に包まれてしましました。
晴天下では風はすずしく気持ちよいが日差しは強くTシャツ1枚で過ごせる環境だったのに、霧の中に入り込んだ途端に薄暗くてまるで水の中にいるような湿気に覆われた、しかも非常に寒い環境に一変してしまったのです。
ちょっと怖いなと思いました。
当然撮影はできません。

あっという間に濃霧の中で視界が全然利かず数メートル先すら見えない状態に。

あまりの寒さにケン(高村)はカッパを羽織っています。

寒くてジャンパーやスェットを着こむマルとキム。 この霧を体験すると「ミスト」という映画がリアルに怖く感じることができます。
いつ晴れるか全く想像がつきませんでしたが、とりあえず晴れた時にすぐに撮影を再開できるようにアクションの型を決めたり練習をしたりしていました。
結局この日は、この霧はアッという間にまた消えて快晴に戻り撮影は進んだのですが、しばらくするとまた霧が来て…晴れと霧を何度も繰り返すという天気でした。


同じ日・同じ場所とは思えない位に天気の状況が変わります。
(※この時は大自然の壮大さにどちらかと言えば感動して心が震えていましたが、その後の大震災での津波やNYのテロ後のビル近くの粉じんの中の生々しい画像・映像を目にした後は、この時のシーンを思い返すと自然の力の大きさに恐怖しか感じません。何にしろ人間が本当にちっぽけで無力な事が痛感できます。)