1998-05-09(土) アクション練習中にケン(高村)が顔に数針縫うケガをする

賢の怪我 画像

 

この日は午前中に自宅で槇くん(刹那の役)のメイクテストをして、午後から公民館でケン(高村)とキム(木村くん)の刀を使った殺陣の練習を行いました。

 

 

午前:(槇くんのメイクテスト)

刹那という敵の役なのですが顔中に入れ墨を入れてる設定だったので、その入れ墨メイクのテストです。

 

特に事前に細かい絵柄を考えていなくて、本人の顔に直接書きながらイメージがわいたデザインにしようと即興でした。

 

実際に描き始めると色々なパターンが考えられるので、描かれている方は何度も顔を洗ってはやり直したりして大変です。

 

パターン1:漢字などの文字が描かれている。

パターン2:動物などの具体的な絵が描かれている。

パターン3:幾何学模様

パターン4:病気や怪我風

パターン5:全く無意味な絵柄

 

などなど・・・

 

刹那メイク画像1

刹那メイク画像2

刹那メイク画像

最終的な刹那のメイク

 

僕の中のイメージのバックグラウンドとして、この映画の舞台(里)の人間達(忍者達?)は皆病気だったり何かしら体に障害があるというものだったので、病気風のメイクを一番メインで考えていたのですが、それは最終的に活殺士にすることとして、刹那は最終的には顔に柄のメイクにしました。

 

 

 

 

 

午後:(ケンとキムの刀を使ったアクション練習in少し遠くの公民館)

午後に入って少し遠くの公民館のスポーツルームを借りてアクションの練習をしました。

(近所の公民館は刀の持込禁止で入れない為)

 

実はこの時点での最大の懸案事項が

「活殺士役(敵のボス)を誰にするか?」

という事でした。

 

アクション(特に刀を使った殺陣)についてはもちろん酒井くんがダントツに上手いので、一番強い役をやってもらうのがベストなのですが、彼は顔も声もかわいい19才(笑)だし背も決して高い方ではなかったので、ビジュアル的には長身のキムの方が強く見えるのでその2人のどちらが活殺士役をやるのが良いのか悩んでいる最中だったのです。

 

そこでこの日は、まずはキムとケンがアクションを実際にやってみてどの程度見れるものなのか?という事で2人のアクションをテストしてみたのでした。

 

アクション練習画像

 

ところがやはり刀を使ったアクションというのは本当に難しいものなので、いきなり素人が本気でやると思わぬ失敗をして大怪我しがちなのですが、まさにそういう事態になってしまいました。

 

 

「ガチン!!!」

 

 

キムが振った刀の鞘がケンの顔(目のすぐそば)に当たって、乾いた音とともにケンが倒れ込みました。

僕が一番恐れていた事態です。

 

 

ケンの右目ギリギリの上部に刀のさやが激突し、血があふれてだしていました。

すぐに近くの病院へ行きましたが、数針を縫うことに・・・。

 

映画の行く末を暗示するような恐ろしい事故にアクションシーンを含む映画の難しさを実感しました。

 

とりあえず大事に至らなくて最悪の事態ではなかったのですが、もし目に直撃していたら・・・と考えると本当に怖いです。

 

(結果的にはそうなのですが当日は、まず総合病院に運ばれて額の傷を縫って、でも目に近かったため目に傷があるかもしれないという事で眼科にも行って検査するなど、予断を許さない状況が長い時間続いて皆で心配していました)

 

ケンの怪我 画像1

ケンの怪我 画像2

ケンの怪我 画像3

 

しばらくしてケンの怪我が目を外れていて本人も大丈夫そうだったのでとにかくホッとしたのですが、この日の記憶で僕の中に一番残っているのは、実は顔から血を流して倒れているケンだけではなくて、病院の廊下でうずくまってガタガタ震えていたキムでした。

 

もちろんケンの怪我は心配だったのですが、何しろそれ以上にキムの落ち込みぶりがひどくて見ていられない位でした。

 

震えるキム画像

病院の隅で死にそうに青ざめて震えていた木村くん。誇張なしにこんな感じでした。

 

 

怪我というのはする側も痛いですが、させた側も物凄く痛いのだと痛感します。

 

 

もしあの時にケンが片目を失うような怪我を負っていたら・・・

 

多分、性格的にやさしいキムはその後の人生を前向きに生きていけない人になっていただろうと容易に想像できますし、ケンも人生を大きく変えられてしまっていただろうし、僕自身に全て責任があるのですが「責任をとる」っていうのは言葉では簡単だけどこういう時に何をするのか?という答えが全く浮かばない(というより何をしても弁償しきれないと感じる)ので、全員がただただ不幸になったのではないかと思います。

 

 

将来ある若者を使って何の保証もない自主映画を作ることの大変さ・恐ろしさと責任の重さを実感する日でした。

 

 

※ケンの怪我(上の動画)について:

上の動画の中で、怪我をした瞬間は僕(梅崎)が撮影していて、鞘がケンに当たった瞬間に本当にビックリして動揺してカメラを止めて心配で駆け寄って行った記憶があるのですが、今改めてビデオを見るとその直後に、おそらくマルが、ケガして倒れてるケンと心配して動揺しているキムを撮影して笑っています。(笑)

マルは「周りの空気を読めずに”そこでそれをやるか!?”って事を平気でやる非常識さ」も「そういう緊迫して皆が慌ててて青くなっている時にわざとふざけたことを言って場を和ませるやさしさ」も両方とも持ち合わせている人間なので、ビデオ中に弱っているキムの傷口に塩をなすり込むような問いかけをするマルを十分理解できるのですが(笑)、この事故から何年も経ったある日、ケンとこの時の怪我について何気なく話していて物凄くショックな事を聞きました。


「かなりの時間を経た今となってみて、あの怪我をした時の何を覚えてる?」

というような問いかけをしたのですが、なんとケンの口からは

「一番印象に残っているのは、お兄ちゃん(僕・梅崎の事です)が心配もせずに軽薄そうに笑っていた事」

みたいな答えが返ってきたのでした。


もう僕としては本当にビックリです!!


僕は本当に心配した記憶しかないし、ビデオを見てもお気楽そうにビデオ撮ってるのはマルだし・・・きっとマルと僕を記憶の中で入れ違った映像にして残してしまったのだろうか?とか、僕もその場では皆を安心させようと表面的にふざけた感じを出してそれを誤解したのだろうか?とか色々と考えましたが、多分、それはきっと普段の僕の人間としてのイメージがそうさせたんだろうな・・・という結論に至りました。(笑えません)


確かに僕は周りの人間からそう思われていただろうなと思いますし、実際にそういう部分も多少あったとも思うので言い訳はできませんが、本当にこういう時に人間の本質的なイメージってのが表れるのだなぁとしみじみ思いました。(笑)


まあ、ショックですが納得できてしまうところが悲しいです・・・・・・。